■ 「あんたたちの血は中身から腐って、何代も何代も続いていくとよ。私たちが部落ならあんたたちは血の止まらんクサレたいね」

"ピカドン部落"とも呼ばれた被爆者集落の人間が、
"被差別部落"の人間に投げつけられる凄まじい台詞は、井上光晴原作、熊井啓監督の「地の群れ」から。


浦上には江戸の昔から被差別部落があった。
弾圧を受け続けてきたキリシタンの集落も浦上にあった。
「浦上崩れ」と呼ばれる政府の弾圧のたび、被差別部落の民は"捕り手"としてキリシタン捕縛に否応なく参加させられた。
弾圧がひどくなればなるほど、キリシタンと被差別部落の人間は憎しみ合うように出来ていた。

1945年8月9日。
テニアン島から離陸したB29"ボックスカー"の搭乗員は全員キリスト教徒で、
同じキリスト教徒が告解のため多数集まっていた浦上天主堂の上空で原子爆弾"ファットマン"を炸裂させた。
教会を訪れていた信徒は全員死亡した。
浦上にいたキリスト教徒12,000人のうち8,500人が殺された。
戦後すぐ、アメリカは長崎市に圧力を加え、浦上天主堂の遺構をきれいさっぱり撤去させてしまった。

浦上の被差別部落の人たちは"被爆"という差別も抱え込むことになった。
「浦上のキリスト教徒たちは天罰を受けたのだ」
「原爆は長崎に落ちたんじゃない。浦上に落ちたんだ」
そんな言葉を浴びせられ続けた。

映画「地の群れ」には撤去させられる浦上天主堂のガレキがはっきりと映っている。



■ デイヴィッド・リンチの新作ドラマ「ツイン・ピークス リミテッド・イベント・シリーズ」第8章で描かれた、人類初の核実験、トリニティ実験の模様。


1945年7月16日に行われたこの実験で使われたのは20キロトンの爆縮型原子爆弾。
長崎に落とされた"ファットマン"と同型の爆弾だった。

約5分間続く、このシーンで流れるの曲はクシシュトフ・ペンデレツキの"広島の犠牲者に捧げる哀歌"。

ペンデレツキというと「シャイニング」でキューブリックが多用した作曲家としても有名。
キノコ雲の内部の描写はキューブリックの「2001年宇宙の旅」、ビヨンド・ザ・インフィニティを連想するが、リンチも意識して作っていたのかもしれない。

キューブリックといえば強烈にイヤミなのが「博士の異常な愛情」のエンドクレジット。


終末核戦争の映像とともに流れるのは
1940年代のポップシンガー、ヴェラ・リンが歌う「We'll Meet Again(また会いましょう)」。
世界は終わってしまったのに呑気に流れる「また会いましょう いつかもどこかも分からないけど」という心和むフレーズ。

よくよく観ると、歌詞と核爆弾フッテージがきちんとシンクロするように編集されてて怖い。











[ 2018/08/13 17:31 ] 映画 | TB(-) | CM(-)

2017年私的映画ランキング

■ 映画に順位付けをするなんて不遜だなーと思いつつも、しかしやはり順番を上げ下げするにあたっての再検証、脳内で整理する楽しさ、順位に現れるその人となり、その人のキャラクターを身近に感じることが出来るのがランキングの魅力ですよ。どうしたってオリジナリティが出ますから。

今年はベイビー的なものが忙しく、そんなこんなに順じてお仕事の方もちょっと不安で眠れない夜もある程度にはバタバタしており劇場にはほとんど向かえず。
鑑賞本数自体も少な目なのでソフトと劇場まぜこぜで2017ベストをランキング。

当然旧作もあるし、何度も見てる作品も混ざってますが、それはそれで一つの2017年なのかなと。毎度なんだけどネタバレ前提で書き殴ってるから気になる方は何とぞスルーでお願いします。

映画予告系のお仕事をしてるにも関わらずネタバレを避けて映画の話をする機能がポンコツ。話せば話すほど垂れ流し。怒られます。

でもあれですよ、言わせてもらえばね、そんなにネタバレってダメですか!?ってことですよ。

だってネタバレしないとその映画の本当に面白い部分って話せなくないですか事って話せなくないですか!?話せないですよ!話せないでしょ?それに僕ぜんぜんネタバレされても観ますよ映画!ネタバレ上等ですよ。むしろネタバレ歓迎、ネタバレがあったほうが安心して観れるって事ないですか!?
ないですか。ダメですか。そうですか。





1:「クリーピー 偽りの隣人」ソフト
黒沢清が今まさにぶっ壊れたのか昔からぶっ壊れてたのか、もうちゃんとした映画なんて撮らないぞってことなのか。日本のポール・トーマス・アンダーソンなのか。

「つまんない」の境地にタッチして「つまんない」の向こう側に突き抜ける。それって実験的で前衛的で挑戦的でかっこいいが、問題はパッと見「つまらない」としか思えないことだ。
はたして失敗なのか、観てるこちらに才能がないのか。最初から最後まで、1フレも噛み切れない映画。本編終わってぽんと頭に浮かんだのが「口の中にいっぱい輪ゴムを詰め込まれたような映画」。だけどスタッフロールを眺めているうちにじわじわと効いてくる。ここまで「つまらない」映画まともな神経で撮れるわけがない。

西島秀俊も竹内結子も演技がなんかおかしい。狂ってる。スタッフの監督も狂ってる。台詞もセットデザインも狙ってるのかスベってるのか全く判断できない。変だ。妙だ。まともじゃない。目に映る表層的な部分はありふれたつまらない映画のようだけど、その芯が、背骨が、魂が、根本から狂ってる。それにぞっとする。たぶん現場で一番まともで真面目なのは香川照之だけだと思う。今年最高に面白い映画だった。




2:「暴力脱獄」ソフト
原題は「クールハンド・ルーク」。原題の方がかっこいいじゃねえかといつも思うがこれも時代感。

反骨の男、みたいに言われるが実は心が壊れて荒みきった男が主人公。これこそポール・ニューマンのイメージだなあと思う。ハンサムでタフなんだけど、内側はもう限界ぎりぎり崖っぷちのライ麦畑で突っ走ってくる子供たちを待ちかまえてるけど端っこに立ちすぎて自分自身が落ちちゃうんじゃないかって顔つきをしている。

パンプアップされた肉体じゃない、大地と闘う野生の男たちの汗と泥まみれの筋肉が楽しめる、ジョージ・ケネディのガチムチ感といい、そういう目的で観ても楽しめる傑作。




3:「ホステル」ソフト
イーライ・ロス監督作の中でもゴア描写がキツイってことで敬遠してた出世作。飲んだ勢いでおりゃーって観たらやっぱり面白かった。アキレス腱切るの?まじで?げらげらげらって感じ。

観ていて、話の展開、伏線、感情の流れにまったく齟齬がないってのは本当に難しいし、そこまで完成度の高い映画ってなかなかお目にかかれない。ヒッチコックの「知りすぎた男」的な話でもある。「桐島部活やめたってよ」的な要素もある。イーライ・ロスっモテなかったんだろうな、あるいは男子中高だったんだろうなって気がする。応援してるぞ。




4:「エル」劇場
普通サイズで狂ってる主人公。普通サイズだからまともだし常識人だし大人なんだけど狂人。共感できる登場人物はひとりもいないんだけど映画として成り立ってるのはバーホーヴェンの手腕か。

ご自身、ナチの侵略で焼け野原になって死体がごろごろしてるアムステルダムで「こんな楽しい遊び場はない!」ってきゃーきゃー言いながら駆け回っていたらしいから、ちょっとそういった意味で自叙伝的な、「え?俺がおかしいの?あんたらのほうがおかしいんじゃないの?」みたいなニュアンスを映画にしたのかな、とか思いました。

中高年層に多めにパブを打ってたのか封切り日の銀座の劇場はマダムや品の良いご夫婦でほぼ満席。オランダの変態監督の新作映画なんだけどなあ、と気になりましたがマダムたちは一体どう観たんでしょうか。




5:「ゾディアック」ソフト
日本でいうと下山事件に取り憑かれた人々みたいな話。
フィンチャーってこの作品まではストーリーのギミックに頼ってる監督って印象もあったがこの作品から芸風がガラッと変わった。ソリッドだけど派手さを抑えて重くて陰鬱だけどキャッチーという。

なんとなく全体的に匂ってくるホモセクシャルな感じが不思議なアクセントになっている。サンフランシスコっていう土地柄なのか時代感なのか。マーク・ラファロの声が高すぎる。尺は長いけど冗長な感じはない。二晩、三晩に分けて連続ドラマ的に観てもいいかも。




6:「T2 トレインスポッティング」ソフト
単に懐かしいだけじゃないのはスコットランドの現在がキチンと描かれてるからだろう。
「1」の後に起こったEU統合で国は確かに栄えたかもしれないが、その恩恵はベグビーやスパッドやシックボーイたちには及んでない。彼らなんて存在しなかったことにして国は、新しい世代の若者たちは、ドンドンどんどん自分たちを置き去りにして遙か未来へと進んでいってしまう。

びよーんとだらしなく延びきってしまったゴム紐のちょうど中間に立ち尽くしてるレントン。先に進めば置き去りにしていった仲間たちからチギレたゴム紐が頭にバチン、真ん中に留まっていたって、後ろに避けたって何にしろいつかゴムは切れる。
そんなこんなで地元に帰るのを何年も先延ばしにして病気を気にしてジムに通ったりしてる。ぐっとくるオープニング。

ダニー・ボイルはキャストを集めたトークセッションの中で「とにかくホンが良くなきゃ君たちは集められない」と言っていた。その自信も納得のよく出来たストーリー。惜しい点を仮にあげるなら「T2」から観た人の気持ちはどうしても分かりようがないという点。「1」を観ている人間にとってそれを切り離して純粋に「T2」単体でいかほど面白い映画なのか判別できない。これって「1」無しに面白いと思える映画なんだろうか??今の20代なんかはこれを初めて観たらどう感じるんだろうか。




7:「帰ってきたヒトラー」ソフト
本国ドイツでのベストセラーが原作。ちょっと読んでみたい。
SPDはナチの後継だとか、目下ドイツを支配してるのは陰気なデブ女、とか、知ってるようで知らない、近いようで遠いドイツの政治にシニカルかつ過激に切り込んでいく、ハプニングドキュメンタリーみたいな映画。

どこまで仕込みでどこまでがリアルなのか。話題のドイツ極右政党「AfD」事務所に復活したヒトラーが訪れると
「待ってましたマインフューラー!」
なんて声が上がり、返す刀でヒトラーが「お前等は全員ボンクラだ」と切って捨てたり、飽きさせずに観客を巻き込んでいく。
終盤にかけて「マルコヴィッチの穴」のラスト的な説教臭い雰囲気になっていくのがちょっと残念。




8:「夜は短し歩けよ乙女」ソフト
湯浅監督というと「マインドゲーム」の印象が強くって、面白いとは思うんだけど、僕はそんなに足が速くないし大声も出せないし出そうとすると咳込んじゃうし、いいのさ、僕は日陰で誰にも顧みられない苔とかキノコ系人間なのさ、って思いもあってそんなに積極的になれなかった。けどこの映画は良かった。

描線の生き生きとした動き。フラッシュアニメーションを使用してコストを抑えたとか。僕も大人になったという事なんでしょうか。湯浅先生も大人になったという事なんでしょうか。世につれ時につれ映画の印象も全く変わっていくもんです。




9:「ブレードランナー2049」劇場
予告映像を観るだに期待できねえなあと。
まあでもドゥニ・ヴィルヌーヴだし、ロジャー・ディーキンスだし観るか、だりい、しょうがねえ、くらいのテンションで観に行ったんだが予想に反して良かった。

ライアン・ゴズリング演じるKは忠犬ハチ公的な感じ。レプリカントがより人間に近づいたことで原作ディックのノイローゼ的なテーマには近くなったような気がする。

撮影に照明がとにかくリッチ。aerial撮影ってクレジットされてたけどどんな手法なんだろう。最近パンフレットを買ってもこういうテクニック的な詳細が書いてなかったりしてなんだかなあと思うことが多い。
ボエーーーーって音が良いなあ、劇伴も前作をちゃんと踏まえているなあ、もしやまさかのヴァンゲリスが担当!?とか思ったけどハンス・ジマーだった。




10:「アメリカン・レポーター」ソフト
昨年末いっぱいで山のロゴでおなじみパラマウントピクチャーズはNBCユニバーサルに吸収された(映画製作会社としてのカンパニーブランドは残るが)。
そのパラマウントの末期に作られたが残念ながらDVDスルーとなった傑作。

イラク戦争に従軍した女性TVレポーターの冒険と活躍と高揚と恋と挫折。マーティ・フリーマンやマーゴット・ロビー、ビリー・ボブ・ソーントン、え?まさか?な役なアルフレッド・モリーナなどなど脇を固めるキャストも渋い。
不肖宮嶋のイラク戦争ルポなんかを読んでから観るとまた一層と良いかも。

ほのかな心の交流、苦々しくも自分の現実に戻る決断、など抑制の利いた職人感のある演出。メガヒットだけ観てると分からない、アメリカ映画もまだまだ捨てたもんじゃないなあいう感じ。




■ そのほかはこちら。
今年は劇場行ったはいいけどちょっと外した映画も多かった。

「ウォードッグス」ソフト
「ウェザーマン」ソフト
「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」ソフト
「アシュラ」ソフト
「悪の法則」ソフト
「小さな巨人」ソフト
「沈黙」劇場
「プラダを着た悪魔」ソフト
「ゼイリブ」ソフト
「ヘイルシーザー」ソフト
「メッセージ」劇場
「コンフェッション」ソフト
「合衆国最後の日」ソフト
「キャビン・フィーバー」ソフト
「北陸代理戦争」ソフト
「コクソン」劇場
「グッドナイト・アンド・グッドラック」ソフト
「キャリー」ソフト
「大陸横断超特急」ソフト
「団地」ソフト
「卒業」ソフト
「ダンケルク」劇場
「ユージュアル・サスペクツ」ソフト
「手紙はおぼえている」ソフト
「ドント・ブリーズ」ソフト
「IT」劇場
「サスペリア2」劇場
「ソルジャーボーイ」ソフト
「男はつらいよ 寅次郎春の夢」ソフト
「ダーク・プレイス」ソフト
「シチズンフォー」ソフト
「オール・シングス・マスト・パス」ソフト
「フェンス」ソフト
「スノーデン」ソフト
「死霊館」ソフト
「エクスマキナ」ソフト
「ララランド」ソフト
「ゴースト・イン・ザ・シェル」ソフト
「君の名は」ソフト
「10クローバーフィールドレーン」ソフト

■ イラク戦争がどんだけ大雑把だったのか、「ウォードッグス」はいかにもアメリカっぽい話。サム・メンデスの名作「ジャーヘッド」を連想する。しかしマイルズ・テラーって首にニキビ出来てそうな顔しててどうも好きになれない。

弓矢を背負ったニコラス・ケイジを撮影したかっただけだろお前!っていうのが「ウェザーマン」。ケイジ愛に満ちた監督はゴア・ヴァービンスキー。この人映画好きなんだなあと思わせるくだりがいくつもある。ブロックバスターだけ撮らせてたらもったいない作家がハリウッドにはまだまだいる。

韓国映画大作系は間違いなく国際市場レベルなので安心もできるんだが予定調和でもあり、というのが「アシュラ」。

コーマック・マッカーシーの暗黒美学全開の「悪の法則」。針金装置マジ怖い。キャメロン・ディアスがかなり良い仕事をしている。マイケル・マンが撮りそうな話だけど監督はリドリー・スコット。劇場をスルーしちゃったのが惜しまれるおもしろさ。

「ドント・ブリーズ」は期待した割にはちょっと残念。同じく「手紙は覚えている」も音を上手く使って静かにサスペンスを煽っていったが大オチで脱力。

「ダンケルク」は撮りたいカットがあれもこれも色々どうしても撮れず、無理矢理一本の話にまとめた感。ハンス・ジマーのBGMがうるさい。エンジン音とか風防がガタガタ振動する音とか良い音なのにもったいない。直前に「トラ・トラ・トラ」を観たおかげで3機だけのスピットファイヤが寂しくてしょうがない。フォッケウルフもチェコかどっかのプロップ機だったしいろいろ残念。

カーペンターの「ゼイリブ」は小さな頃に封切りで観に行った記憶。当時も風呂敷が広がって行くばかりだなあと思っていたがまったく同じ感想。白人ホームレスと黒人ホームレスが、グラサンかけろヤダヤダ絶対やだ、で15分くらい格闘するシーンのための映画。レーガノミクスに取り残されたホワイトトラッシュ、として主人公を観察すると当世風トランプ的映画ともいえなくもない。

「サスペリア2」はゴブリンの来日LIVE、シンクロ上映で鑑賞。「大陸横断超特急」は広川太一郎吹き替え版で鑑賞。

「沈黙」は奉行井上をエキセントリックな悪役に描き過ぎか。頭のキレる雰囲気はバシバシ伝わってきたのにもったいない。

「ラララ」「君」「ゴースト」「10クローバー」あたりはもう苦痛。キツイ。でもつまんない映画があるから面白い映画があるわけでつまんない映画も必要。生まれてきた罰。すみませんでした。

2018年もよろしくお願いします。









[ 2017/12/29 14:47 ] 映画 | TB(-) | CM(-)

マッシヴ・アタックのライブに行ってきました@豊洲PIT

massivelive2.jpg

■ 単独公演は実に15年ぶりとのこと。
大してパブ展開もしてないし、会場の規模も小さいし、アルバムを出したとかこれから出すとかってタイミングでもないし全くノーマーク、誘ってもらうまで全然気がつきませんでした。

そもそも「Heligoland」の時だって単独なかったのになぜに今??
しかもド平日の火曜(本公演は月曜で、火曜は追加公演)、なかなかハードルが高かったけど万難を排しましたよ、なんといっても念願でしたから。

豊洲PITのキャパはスタンディングで公称3000人。でも入った感じはもっと小さな印象。エスパー伊東が客演で出るって怪情報もあり、何でいまなのかも含め、色々と不安に。

前座は最新EPでフィーチャリングしてるyoung fathers。若いお父さん。
アフリカと80年代ポップを掛けたような感じで面白い。30分くらいのパフォーマンスだったか、向かって一番左のリーヴ・シュレイバーがしゅっとした感じの白人は音が取れないのか酔っぱらい過ぎなのかちょっとヨレヨレしてた。
残りあと2曲くらいのタイミングでナナメ後ろに立ってた妙齢の女性客が
「もういい。単調。」
と大声で吐き捨てるように。かわいそう若いお父さん。

S席15000円で入ったんだが舞台とフロアは目と鼻の距離。演者の表情まではっきり分かる。マッシヴだったらドームクラスの公演なのでは?って思うけどこんな距離感で観れるチャンスなんてそうそうないだろうなあ。

セッティングの変更に30分ほどかかり、舞台を見るとツインドラムセット。舞台背景には例のLEDっぽい壁が。とにかく事前情報がないので(あんま調べてもなかったし)色々不明。

1曲めはHYMN OF THE BIG WHEEL。まさかの「Blue Lines」の大名曲から。
「100th Window」より前のアルバムの曲はやらないだろうと勝手に思ってたのでスゴイびっくり。
ヴォーカルはホレス・アンディに超似た爺さん。よく見つけてきたなあ、あのファルセット出せる人って他にもいるんだなあとか思ってたらホレス・アンディ本人だった。今回は出ないもんだろうとこれも勝手に思ってた。またびっくり。だってクレジットされてないんだもの。
ドレッドを束ねて、ビートにゆらめく身のこなしがかっこいい。「大陸横断超特急」って映画の中で「白人のダンスは体が固い。もっと柔らかく踊れ」って台詞があったけどそんな感じ。柔らかい。

LEDパネルを使ったVJはおなじみのUVA。ポリティカルなゴツいメッセージやビジュアルがギャンギャン明滅する。子供だったら泡吹いて倒れるぞ。後で調べたらUVAと組んだのは15年前の「100th Window」かららしいけど、その当時はセッティングに金がかかりすぎて日本公演とかフジロックの時とかもスタッフにろくにお金を払えなかったらしい。

「Mezzanine」から名曲が続いてYoungFathersとの新曲。どの曲もギターといいドラムといいプレイのクオリティがとても高い。

ちょっと静かになったところでLEDパネルに010010111…と数字が並びだしてFUTUREPROOFのパルス音。
ツインドラムってなんでズレないんだろう。バスドラムが異常に強い。内臓が震えるような低音と、金属の固まりを削りだしたみたいなギター音が駆けめぐって天井から家鳴り。フロアが小さめなおかげで音がぐるぐる回ってマルチスピーカーでサラウンドで聴いてるみたい。後ろから不気味なコーラスが、削りだしギター音が後頭部にドスドス刺さってくる。バスドラムの拍子がどんどん抜けてリズムが狂っていってギターもかなりアブストラクトな演奏。あと10分やってくれ。キングクリムゾンみたい。こんなプレイどうやってコントロールしてるのかしら。

「Heligoland」からのGIRL I LOVE YOUはホレス・アンディがかなり神々しく、あぁ生きているうちにお会いできてありがたいありがたい。ANGELの「カッ!」って音、あれ何の音なんだろうと長らく疑問だったんだけど、向かって左側のドラムの手元あたりに小さい木魚みたいのが据え付けてあって、それを思いっきりひっぱたいてました。「カッ!」って見事にあの音が出てました。小さな木魚がなんて楽器なのかは分からないままですが。

ラストは圧巻のSAFE FROM HARM。ボーカルは本物のシャラ・ネルソン。
アンコールは3曲。
UNFINISHED SYMPATHYも鳥肌だったなあ。最後はSPLITTING THE ATOMでドヨ〜ンボワワ〜〜ンと締めました。

全体的な印象としては「Mezzanine」祭り、ゴツい鉄塊ロックって感じ。ライブ全体の完成度の高さと正確無比かつ攻撃的なプレイは懐かしバンドなんかじゃなくって現行の第一線のアーティストなんだなあと感じたわけです。

火曜日のセットリストはこちら(というか月曜も同じセットだったみたい)

HYMN OF THE BIG WHEEL
UNITED SNAKES
RISINGSON
MAN NEXT DOOR
RITUAL SPIRIT
FUTUREPROOF
GIRL I LOVE YOU
VOODOO IN MY BLOOD
HE NEEDS ME
INTERTIA CREEPS
ANGEL
SAFE FROM HARM
TAKE IT THERE
UNFINISHED SYMPATHY
SPLITTING THE ATOM




■ バンクシーの正体はロバート・デル・ナジャだ!っ噂があって、それはさすがにないだろう、そんな時間はあるまいよと思ってましたがやっぱりご本人が否定コメントを出してましたね。夢のある話ですけどね。




■ 結局エスパー伊東客演の話は何だったんだろうと思ったら、ライブ中の外の廊下でゴム手袋とかかぶっていた模様です。何の由縁があっての事なのかは謎のまま。
















[ 2017/12/28 21:43 ] 雑記 | TB(-) | CM(-)