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俺の裡〈うち〉で鳴り止まない詩

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「そんな…!」 ― 高平謙/第13巻「海の幸 タイごはん」より






岡本町&稲荷町、秋の合同キャンプ。
それぞれの町が競っての料理対決に、岡本町は今年なんと金にモノを言わせ、高名な料理研究家・高平謙を雇ってきた。

途中、食材をすべて川に流してしまうなどトラブルにみまわれて万事休すの陽一&稲荷町の面々に対し、恵んでやる飯はねえとあくまで高慢ちきな態度の高平&岡本町は典型的な悪役。ウニやカニ、マツタケといった高級食材をフルに使って陽一たちを追いつめていく。ここまではいつもの展開。このあと陽一の天才的な工夫が飛び出して、すべてを逆転させるスペシャルな料理を繰り出してくるんだろうな、と誰もが思う。そして事実そのとおりに進んでいく。

しかし今回はいつもとどこか様子が違う。

海で採れたタイ、山で採れたムカゴ、ギンナン、ユズetc、陽一の驚異の創作料理が出来上がると、悪役であったはずの岡本町の面々は一転、手の平を返して突如陽一の料理を賞賛し始める。そしてその賞賛はやがて料理研究家・高平の料理を「けなす」という方向へと発展していく。
あろうことかさっきまで高平の料理をうまいうまい、と食っていた岡本町の人間がいっせいに高平の料理にケチを付け始めるのだ。

「だいたいまつたけなんて単調な味だよなあ」
「ウニやカニだってとれたてってわけでもないし それなら家でも作れるわよねえ」

なんて陰惨な話だろうか。
この言葉に対しての高平の反応が冒頭の一言、「そんな…」だ。
民衆が自らで担ぎ上げた王を、今度は玉座から引きずり落とした挙げ句に石を投げつけるというわけだ。

高平が一生懸命作った料理の数々はひとつも顧みられること無く、陽一の料理ばかりが皆の笑顔とともになくなっていく。寂しくひとりキャンプファイヤーに背を向けた高平に、陽一は微笑を浮かべて近づいてゆく。ポンと優しく肩を叩いて高平に一言。

「さあ高平さん行こうよ オレの混ぜごはん、ぜひあんたにも食べてほしいんだ」

お前の料理じゃない、オレの、このオレの混ぜごはんを食え、いま、お前が、お前自身の手で。
陽一の徹底的な追い打ち。どこまでも救いは無い。























[ 2013/01/07 22:53 ] 味っ子 | TB(-) | CM(-)
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